漁書日誌 3.0

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窓で學天則

もう1週間経過してしまったが、今月の12日は窓展の初日であった。どうしても書き上げなければいけない原稿があり、朝イチは諦め、夕方用事で都内に出るついでに会場に立ち寄る。17時半。閉場30分前である。これといったものは残っていないだろうな、いや残っていたら金欠だしまずいなというくらいのものであった。といっても、1点注文品があった。注文品は当たり、それを引き取らなければというのもある。

で、買ったもの。

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棟方志功「板極道」(中央公論社)昭和39年10月8日初版凾外凾帯1500円

目録注文品。これといって珍しいものでもなく、既に文庫で持ってはいるのだが原稿用に実物が欲しかった。序文は谷崎潤一郎

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西村真琴「大地のはらわた」(刀江書院)昭和5年9月18日5刷凾欠900円

著者は西村晃の父親で、あの學天則の人。表紙委貼付してある写真がそれ。エッセイや小説などを集めた本。凾欠だが状態がとてもよい。ちょっとバウハウスなノリの装幀も昭和初期らしい感じ。

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「第二近代情話選集」(「苦楽」特別附録)300円

「書物礼讃」(昭3・7)200円

「詩林泝洄」(昭38・2)200円

今回一番嬉しかったのは、「第二近代情話選集」。ようやく入手で、これでおそらく「苦楽」の附録冊子は全部揃ったか。「詩林泝洄」は同人誌だが、ちょっと気になる記事があって。「書物礼讃」は、表紙に捺されたスタンプのために購入。

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擦れてしまっているがこれは「内務省」「3・7・4」「正本」とあるのだろう。内務省に納本して、検閲チェックを受けてOKになり残しておく正本ということだろうか。記載発行日の翌日の日付である。中には1箇所だけ、ふと目の赤鉛筆でラインが引いてある箇所があるのだが、これが検閲チェックした痕跡だろうか。

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「苦楽」附録の冊子3冊。大正13年1月の創刊号から、3月、7月と出ている。これ以降も出ているのだろうか。

それから、小野夕馥氏の森開社の新刊、詩誌「螺旋の器」3号が届いた。

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版元直接注文のみ。限定300部記番。菊池幽芳によるヴィリエ・ド・リラダンの翻訳、八木昇による澁澤龍彦「さかしま」に関する回想など掲載。順調に刊行されていて何よりである。