漁書日誌 3.0

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長袖の9月

ここのところグッと温度が下がり、半袖では肌寒いような陽気。9月に入ったばかりとは思えないような気候でもあるが、暑くも寒くも無いちょうど良い季候なのかもしれない。
で、先週来た「扶桑書房目録速報」での注文品が届いたので、まずはそれから。

内藤千代子「スヰートホーム」(博文館)大正2年3月5日24版6000円
     「ホネームーン」(博文館)明治45年1月25日6版6000円
     「エンゲーヂ」(博文館)大正2年3月15日8版6000円
他にもいろいろとお得なものがあったが、内藤千代子がズラッと8冊も出ていたので代表的な初期の三部作を一気に。確かに懐にはキツイ額になるが、しかし内藤千代子のものはけっこう重版しているのにもかかわらずあまり古書市場では見かけず、出てもこの倍以上はするだろうし、エイヤっといってしまった。今回のは、今年の七夕に出していたものそのものか、他にも「春雨」「あゝ青春」とかって大正中期の珍しい内藤本が出ていたが、そこまで追いかけていないのでこれにとどまる。後者なんかは装幀もカワイイのでちょっと欲しいが、ちょっと欲しいのお値段では入手出来ないだろうなあ。
まあこんな買い物があったものだから、ここのところ古書展に行ってもなるべく買わないようにしている次第だが、今回の愛書会も、二日目の終わり10分前に駆け込んで、ザーッと見て行ったが、1軒だけ黒っぽいものをお安く出しているところがあり、そこから逡巡しつつも2冊だけ買う。

谷崎潤一郎「アヹ・マリア」(新潮社・中篇小説叢書)大正13年4月15日9版300円
冨田高慶「報徳記」(大日本農会明治31年1月15版300円
谷崎のは持っているがあまりに安いので。これ、10年くらい前は初版はあんまり見かけず、重版でも3千円くらいしていたのに、ここのところ初版でも安くしばしば見かける。この本、実は初版と重版では表紙の色使いが異なっていたりする。「報徳記」は、明治立身出世関連の資料として。「西国立志編」「学問のすすめ」に比してあまり立身出世運動を論ずる際に言及されないなあという感触があるが、はて。
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以下は最近興味のある本。

ハイデガー『存在と時間』を読む (叢書・ウニベルシタス)

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図像の哲学: いかにイメージは意味をつくるか (叢書・ウニベルシタス)

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われら (岩波文庫)

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帝都公園物語

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ゾラと近代フランス:歴史から物語へ

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乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか (講談社選書メチエ)

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斎藤昌三 書痴の肖像

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映画と経験: クラカウアー、ベンヤミン、アドルノ (叢書・ウニベルシタス)

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続ヴェネツィアの石: ルネサンスとグロテスク精神

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彼の娘

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男らしさの歴史 III 〔男らしさの危機? 20-21世紀〕 (男らしさの歴史(全3巻))

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講義 政治思想と文学

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近代フランス小説の誕生

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東都講談師物語

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近代の〈物神事実〉崇拝について ―ならびに「聖像衝突」

近代の〈物神事実〉崇拝について ―ならびに「聖像衝突」

十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚め (講談社学術文庫)

十二世紀のルネサンス ヨーロッパの目覚め (講談社学術文庫)

図説 占領下の東京 1945~1952 (ふくろうの本)

図説 占領下の東京 1945~1952 (ふくろうの本)

ダダイストの睡眠 (境界の文学)

ダダイストの睡眠 (境界の文学)

現代語訳 賤のおだまき (平凡社ライブラリー)

現代語訳 賤のおだまき (平凡社ライブラリー)

唖蝉坊伝: 演歌と社会主義のはざまに

唖蝉坊伝: 演歌と社会主義のはざまに

明治・大正期の科学思想史

明治・大正期の科学思想史

埴原一亟古本小説集

埴原一亟古本小説集