漁書日誌 3.0

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ムナカタとか金閣寺とか

ネット古書店やらオークションやらで今週買った本。

ヘンリー・ミラー「三島由紀夫の死」(私刊)1992年6月1日発行2000円
フルッサー「写真の哲学のために」(勁草書房)カバ1500円
写真のはお勉強用だが、ミラーの三島論(の翻訳)は昭和46年10月に「週刊ポスト」に連載されたものである。大分前に図書館でコピーして読んではいた。が、こうした形で冊子になっているのは知らなかった。元々は、福井に在住する個人が昭和47年1月に100部限定で出したものである由。全く知らなかったが、今回の冊子は、平成4年になってそれを東京の個人が再刊したものであるという。訳文も「週刊ポスト」そのままだが、ミラーによるエッチングなどがカットとして用いられている。英文の原書の方は、篠山紀信が撮影した船員帽にビキニパンツ一枚の三島がハーレーに寄りかかっている写真を用いた表紙で、確かミラーの直筆署名要りの限定本もあった筈。
それから、古書関連の知人である山本正敏氏が、自身の棟方志功装幀コレクションを地元の文学館で公開され、図録をお送り頂いたので紹介したい。

「世界のムナカタ」を育んだ文学と民藝@高志の国文学館(富山市)2013年11月〜2014年2月
棟方の「挿画本」がズラリとカラー図版で掲載されており、ここまで揃うとまさに圧巻である。山本氏の解説によれば、それでもまだ100冊は挿画本はあるだろうとのこと。ご恵送いただき感謝です。

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写真は水曜日に行ってきた宮本亜門演出の舞台「金閣寺」@赤坂ACTシアター。震災前に神奈川県立芸術劇場でやった初演、その後ACTシアターでやった凱旋公演の再演、そして今回の主演に柳楽優弥を迎えた今回の上演とこれで三度目の観劇となる。
前回の森田剛主演の舞台は素晴らしかった。凱旋公演である再演では、ところどころ演出を変えているのであろう、印象がまた違った。おそらく海外公演を経て、舞台進行のテンポが若干速くなったような印象を抱いた。それから、今回キャストもあれこれ変えた三回目の舞台である。初演や再演は数年前の舞台の記憶なのであやしところだが、今回も若干演出が変わり、なおかつ新たに付け加えられたシーンもあったように感じられた。個人的感想としては、一番の出来は初演だったが、今回のは再演よりはよい気がする。とりわけ柏木をやった俳優がマッチしていて今回のは今回のものとして楽しめた。4月16日観劇。