漁書日誌 3.0

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新宿京王行かず

京王新宿は仕事の〆切直前で赴けず。先日のぐろりや会は、ホントに3分ほど覗いて岩波文庫1冊のみ。今年は一人展がないので散財せず済んだともいえるが、古書的ムラムラはたまる一方である。ということで、ここのところ古書展や目録以外で入手したもの。

覆面士「屑屋の籠」(尚文館書店)大正3年6月25日発行裸500円
五味康祐「剣法奥義」(文藝春秋新社)昭和31年8月20日初版カバ帯500円
日本文学全集66「現代名作集4」(筑摩書房)凾105円
中井英夫展」図録(小樽文学館)800円
うえから二つはオークション、ブックオフ、そして通販にて定価購入したもの。「屑屋の籠」は、大学が面白くなくて中退した杢兵衛君というのが社会探訪記者よろしく屑屋しながら各階層・社会に屑屋ということで入り込み、そこで仕入れた屑を拾い集めてあれこれとその実体を暴露していくというルポ的なもの。これがなかなか面白い。「最暗黒之東京」とかああいうのが下地にあって成立した読み物だろう。
それから五味のは、装幀として全面に自分の写真を使っているので買った。売れっ子作家が、自分の写真をドカンと装幀に使うってのは実はかなり珍しいような気がする。こうして作家=作品というイメージ通路が作られ、中身より作者イメージを重視した文学商品展開がなされていったのであろうなあ、と。
「現代名作集」は、ちょっと面白いアンソロジーで、100円でないかと探していたもの(かなりケチである)。とりわけ池田得太郎「家畜小屋」が入っており、作者の顔写真も掲載。解説にはその後消息不明のようなことが書いてあるが、当時の拡大して陰影を書いたりしたような不明瞭な池田のこの顔写真は今までみたこともない。(追記:この顔写真は「家畜小屋」初版本の帯に掲載されたものの再掲である由)
以下は最近購入したもの。

寒灯・腐泥の果実 (新潮文庫)

寒灯・腐泥の果実 (新潮文庫)

科学vs.キリスト教 世界史の転換 (講談社現代新書)

科学vs.キリスト教 世界史の転換 (講談社現代新書)

上記二点は駅前の新刊書店で、さいごのは古書で購入。