漁書日誌 3.0

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薔薇十字社外伝@地下の古書市

本部古書会館で催された地下の古書市、そのイベントとして13時より「薔薇十字社外伝」元・薔薇十字社の川口秀彦氏トークショー(聞き手・内堀弘)。これを聞くために赴いてきた。

会場には30人はいなかったようにも思う。いつもの古書展の時に帳場になってる奥のスペースを仕切ったところである。最近ヤフオク野中ユリの書簡からなにから大量に出ているが……という話から、実は野中ユリの母親と自身の祖父がいとこ同士であり、大学時代野中宅に居候したりしてその縁で作家らと親しくなったこと、ちょうど「吸血鬼幻想」担当編集者が急死という不幸があり編集者を募集していたという時での中から話がいって入社にいたったという。早稲田の窪田般弥ゼミ出身で、その関係で吉田一穂全集の企画を(窪田は一穂の弟子)薔薇十字社で練っていた話等々。七曜社から芳賀書店、そして天声と歩む矢牧一宏、都市出版社の中村邦生、神彰康芳夫の名も。薔薇十字社に入って最初にやった仕事は加藤郁乎「ニルヴァギナ」特装版の木凾に毛筆署名を入れて貰う仕事だったという。
三島関連だと「定本三島由紀夫書誌」の話。和久田誠男氏が三島側代理人的な立場で、川口氏(当初営業担当の人が片手間にやっていたのを引き継いだそう)は版元側の立場で、またそこに先日芥川賞受賞した黒田夏子氏なども関わり、島崎博氏中心で進んでいったことやら、瑤子夫人が特装版の装幀にあれこれ熱を上げていたことなど。
途中、島崎氏らと共に三島書誌のスタッフをしていた扶桑書房さんの乱入的!エピソード話も加わり、話は盛り上がりを見せた。ほかにもあれこれの話が出て、いちいちメモを取っていたがあっと言う間に終了時間。
薔薇十字社本は一時期集めており、「ニルヴァギナ」特装、「三島書誌」特装、「妻帯司祭」以外は全部手に入れ、ホームページにリストを作成して掲載していたところ、内藤三津子氏より「なつかしい本を…」と御礼の葉書を頂いたこともあった。
結局刊行予告まで出ながら未刊に終わった写真集「男の死」が気になるところだが、最後の質問コーナーでこれ質問すれば良かったか。
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で、川口氏の薔薇十字社に関する小文掲載の「彷書月刊」ほか買って古書会館を後に。

帰りに東京堂に立ち寄ったら、白坂依志夫「不眠の森を駆け抜けて」(ラピュタ)があったので思わず購入。

ほか、以下の書籍もほしい……と思ったがまだアマゾンで反映されてない「菊池幽芳探偵小説選」論創社刊。