漁書日誌 3.0

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台風前の神保町

いま接近している台風、明日か明後日かやはり東京直撃となるのであろうか。ここのところ随分と涼しくなったがちょっと湿度の高く暑さが戻ったような今日、西部古書展目録で注文した安藤更生「銀座細見」(春陽堂)初版カバー付2800円はハズレたと電話確認してから神保町へ向かう。チラリと田村などを見て回ってから扶桑へ。

与謝野晶子「みだれ髪」(金尾文淵堂)明治37年9月5日3版訂正改版裏表紙欠印書き込み痛み3000円
とにかく状態は悪い。ハートの中の部分、とくに顔の部分の朱が褪色しちゃってよく見えない。初版は明治34年8月10日発行(この3版の奥付では8月5日発行と記してある。いい加減だ)。初版では奥付の著者名は「鳳昌子」で発行所は「東京新詩社/伊藤文遊館」であるが、3版はすでに著者名は「与謝野晶子」、発行所という表記はなく発売元として「杉本書店/金尾文淵堂」となっている。今回の3版は訂正改版とあるように初版とテキストも異なっている。再版は存在せず、この後4版まで出ている由。藤島武二による装幀、装画。装画は全部で7枚。

上記は「現代の小説」と題された一枚。青少年を堕落させる小説という当時の言説を象徴したような絵だが、それだけ魅惑的でもあるわけだ。