漁書日誌 3.0

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我楽多いけずに五反田

五反田遊古会展二日目。閉場の30分前に会場到着。寒いし雨だしで客足はどうだったのだろう。

で、一階の外で持ち時間半分を消費してしまい。というのも、いつか安く見つけたら欲しいなあという本がちょうどよい値段で見つかったため、ちょっとじっくりと見てしまったから。
それから二階へ行くも、時間までに回りきれず、結局ちょっとつまんだだけ。

ロビンソン「〈からだ〉の神学」(日本基督教団出版局)カバ300円
桂芳久「誄」(北冬社)カバ帯献呈箋300円
石子順「日本漫画史」(教養文庫)カバ200円
石原慎太郎「価値紊乱者の栄光」(凡書房)昭和33年11月29日初版カバ正誤表付500円
萩原朔美「思い出のなかの寺山修司」(筑摩書房)カバ500円
野坂昭如「日本土人の思想」(中公文庫)200円
上半分が一階、下半分が二階での収穫。「〈からだ〉の神学」は三島が晩年読んでいたものでちょいと研究用に。「誄」は、しのびごと、と読むがこれも同じく桂ホーキューによる三島の思い出掲載。慎太郎のは、デビュー当時の論争やらで、マスコミを意識した新人作家の戦略がどんなものだったかを探るによい。
で、閉場後に都営線を乗り継いで神保町へ。結局ガラクタ展には間に合わず、扶桑に行く。

正岡いるる「東京夜曲 影絵は踊る」(新作社)大正12年2月20日再版凾欠少痛12000円
嗚呼買ってしまった。この時期この出費はかなり痛いのだが、しかし、この本でこれって最安値ではないかと思う。凾付初版ならそこらにあるだろうが、こう都合良く凾欠再版のちょと痛んでいる本などは出ないだろうし…。この本、初版は大正12年1月15日だが、再版が出ていたとは知らなかった。木版装幀は水島爾保布大泉黒石序文、吉井勇序歌。著者最初の長篇小説で第三番目の著書。最初のは「新堀端」(稲門堂)という歌集で、次が紀行文集?「東海道宿場しぐれ」(岡崎屋)。「新堀端」には別版もある模様。ここらへんは、仮面社の「正岡容収覧」だったか、あれ一冊在ればよいのだが、いかんせん本が大きすぎる上に4段組だったかで読みづらいことこの上なし。ホントは、「影絵は踊る」とか「風船紛失記」あたりを寄席ものとは別に「正岡いるるモダン小品集」とかいって文庫化してもらいたいものなのだが。