漁書日誌 3.0

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城南展で蝶々つかまえる。

城南古書展二日目。目録には、たとえば「小沼丹作品集」(小澤書店)5冊揃4000円とか申し込みたいものもあったけれども、金欠気味なのを考えやめていた。注文殺到したと思うが。いまは金欠戒厳令である。が、それでも所用で神保町に出たのでもちろん会場に立ち寄る。で、購入したのがミヤコ蝶々の自伝。

ミヤコ蝶々「女ひとり」(鶴書房)昭和41年5月15日初版カバ400円
小杉天外「初すがた」(春陽堂)明治33年9月22日再版2000円
「初すがた」はネットオークションにて落札し今日届いたもの。なんだか知らないけれど最近天外づいてるなあと自分でも思う。別に好みというわけではないのだが。花袋以前の日本的自然主義(フランスのそれとは別物のという意味で)の代表みたいなところがあるし(特にこの「初すがた」などは)安ければとは思う。しかし届いて真っ先に序文を読んだが、「自然は自然である善でもない悪でもない云々」の天外による自然主義マニフェストみたいな文句があった筈だのにそんな文言はなく変だなと思ったら、あれは「はやり唄」の序文だ。しかしまあこれで、「初すがた」「恋と恋」「にせ紫」の三部作も揃ったし「魔風恋風」「コブシ」もあるしもういいか…。
で、「女ひとり」。早速ポツポツ拾い読みしたけれども、一時期ヒロポンを一日40本とか打って「分裂症」になって精神病院に入院した時のエピソードとか面白い。松山善三序文、水木洋子跋文。ま、「初すがた」も「女ひとり」も両方とも女芸人もの、ということで。
以下、欲しい新刊。

丸本歌舞伎 (講談社文芸文庫)

丸本歌舞伎 (講談社文芸文庫)

大谷崎―エロスの深淵

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