漁書日誌 3.0

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今週の古書+朱雀家の滅亡


ここしばらくに買った古書。だいたいマケプレなど。1円などというのも二冊ある。ちょっと必要あって調べているTVメディア関連の新書に、三島由紀夫がキャラクターとして出てくるコミック複数。そういえば三島没後直後に週刊誌で劇画三島由紀夫の連載とかあったが、三島の、というか三島という作家イメージの漫画表象といっても何も日の丸鉢巻きだけではない。特に昭和30年代後半に発表された水木しげるによる三島が主人公の怪奇ものなど面白い。作家に対するイメージとしてイラストや漫画は興味深く、そのうちちゃんと考えたいものである。それで写真のうち、
ジェイムソン「未来の考古学1」(作品社)2700円
のみネット古書店で注文して購入したもの。先日出たばかりだが、古書でケチケチと探した。却って出版直後の方が古書に出やすいような気がする。献呈されたものが即売られるのか。
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三島由紀夫作/宮田慶子演出「朱雀家の滅亡」@新国立劇場
上記の芝居に行ってきた。4年前になるだろうか、同じ宮田演出の「朱雀家」初演(@池袋あうるすぽっと)も観ているが、印象としてはまた別物になった印象を受けた。キャストも一新されているが、なんといっても主人公である経隆役・國村隼の存在感は際立っていた。静かな存在感というか、無言でも無言であることが雄弁であるような存在感を持ちつつ、台詞に「お上」とあるといちいちピッとして軽く頭を垂れる感じなどが合わさって(これは宮田演出初演にはなかったように記憶する)、最初はやけに台詞の声があまり通らないなあと思っていたのだがそれがまた演技のメリハリになっていた。ラストの方の経隆の長い独白も、前回の初演の時のように録音ではなくよかったが、わがままをいえばもう少し朦朧とした、現実とも幻想ともつかない世界をただようような調子でいって欲しかったようなところもあった。ほかには璃津子がなかなかの好演だったように思ったが、それ以上今回はおれい役に派手な演出がしてあって目をひいた。戦死の電報を読んだ時の嘆きのシーンなどは経隆よりよっぽど狂気がかって、電報を焼いてからその灰を食べてしまうところまでいっていた。30日夜所見。

それから翌日の10月1日にも続けて新国立劇場へ。三島由紀夫作、宮田慶子演出のリーディング公演「邯鄲」のため。こちらは打って変わって新人さん公演。黒ずくめの稽古着?で台本片手のもの。

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

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ゴシックの本質

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