漁書日誌 3.0

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趣味展朝イチ

今日はいろいろな都合があって、朝から用事があり、完全夜型のワタクシ一睡もせずそのまま都内に出、せっかくなのだからと趣味展に列んでやろうと意気揚々、開場10分前に到着。しかし同じく列んでいた友人に聞くと、いつもの趣味展より人が多く列んでいる由。連休だからか。そして開場。目録注文していた、鰭崎英朋「うた姿」(平和出版社)凾欠少痛シミ疲2500円はハズレたが、まあほぼ扶桑の書棚を漁った結果、以下のような収穫となった。


「少女世界」(明45・7)少痛600円
「犯罪公論」(昭6・10)創刊号1200円
谷崎潤一郎作品の諸相」(専修大大学院文学研究科畑研究室)1000円
「続・谷崎潤一郎作品の諸相」(同)1000円
夏目漱石「切抜帖から」(春陽堂明治44年8月20日再版凾欠少汚300円
賀川美以子追慕録「白百合」(私家版)明治44年4月23日500円
聯合国最高司令部民間情報教育局編「真相箱」(コズモ出版社)昭和21年8月25日極美400円
オーシュ卿「初稿 眼球譚」(河出文庫)200円
本当はこのほかにもあれこれと抱えていたのだが、資金的に断念。例えばヴィリエ・ド・リラダン未来のイヴ」(白水社)凾2500円とか堀口大学訳「月下の一群(普及版)」裸美2500円とか。そういえば棚には堀口大学が多かったような気がする。また「文章倶楽部」ほか雑誌もお手頃価格であれこれあった。それから「真相箱」は前にも背痛のものを購入したが、これは極美といっていいコンディション。CIEの戦後日本国民洗脳プロパガンダ書物のようなもの。「犯罪公論」は、谷崎の「天狗の骨」掲載。阿部徳蔵のマジシャン小説も出ていたり。「少女世界」の表紙は夢二ではなく山村耕花。それから月の輪が今回は某横光研究者旧蔵の国文学系雑誌、学会誌などを安く放出しており、取り敢えず手元にあれば便利かなあというものあれこれセレクトして一度は抱えたのだが、結局最終的には全て戻した。上記の「谷崎潤一郎作品の諸相」はそのなかでもこれはと購入したもの。前から知っていてコピーを持っていたが、やはり冊子で持ってる方が整理しやすいし。しかしまあ、実は今回一番面白そうな掘り出し物は、正体不明ながら面白そうな「白百合」。明治42年チフスから肺炎併発して17歳で無くなったどこぞのお嬢様・美以子さんの日記やらなにやらを集めた、親が出した追悼録。写真も入っている。明治末期の上流お嬢様の暮らしぶりなどが伺えてなかなか興味深い。こういうものでは、前にも清水澄子の追悼録「さゝやき」というのを買ったことがある。
今日は古書展を引き上げた後に国会図書館で調べ物をして、それからシネマヴェーラ渋谷に赴き、ATGの「聖母観音大菩薩」(若松孝二監督、1977)を観る。未見だったから行ったのだが、敦賀原発など出てくるわ、しかも上映中に大きめの余震はあるわで、いやはやアクチュアリティあるなあ、と(笑)。
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追記。
先日の七夕での藤沢清造肉筆原稿、4043100円で落札とのこと。落札者ご本人が書いている(西村賢太一私小説書きの日乗」)。