漁書日誌 3.0

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趣味展*追補:三島演劇

17時までの臨時スケジュールでやっている国会図書館で後日複写を受け取ってから神保町へ。国会図書館の前の桜、つぼみが出かけているという感じでした。
で、神保町。趣味展初日。本当は、目録に出ていた未来派展の図録3000円とか注文したかったのに忘れており結局注文品はなし。

女学世界定期増刊「家庭小説 小天地」明治38年1月15日口絵欠800円
「文章倶楽部」大正15年1月号800円

「知性」昭和30年1月号500円
彷書月刊」09年2月号200円
「昭和文学研究」平成2年7月300円
前田愛「幻景の明治」(朝日選書)300円
佐伯彰一「近代日本の自伝」(中公文庫)200円
正宗白鳥「何処へ」(新潮社:代表的名作選集)重200円
今回よかったのは「家庭小説 小天地」。口絵関係はすべて欠だがそんなことはかまわない。鏡花、春雨、風葉、花袋、楠緒子などの短篇掲載。こういうのが家庭小説という感じの例か。また、神聖恋愛論みたいのもあって当時の動向がわかりよい資料である。それと「文章倶楽部」は「文壇一百人」特集で、百人の小説家やら詩人やらが顔写真付で紹介。当時の写真というのがよい。「何処へ」は本当は講談社学芸文庫版で欲しかったが、まあいいか。しかしこの代表的名作選集って、活字が小さすぎる…。

ところで、古書会館出てすぐのはす向かい、前にドラッグストアがあったところにはなまるうどんが出来ていた。これからは古書展前後の腹ごしらえにたびたび利用したいところだ。
そしてネット古書店に注文していた、今更だけれども、
ブース「フィクションの修辞学」(書誌風の薔薇)カバ3500円
が届いた。

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3月24日に流山児☆事務所レパートリーシアター公演「卒塔婆小町」@space早稲田、そして28日に結城座公演三島近代能楽集「邯鄲」「葵上」@アサヒアートスクエアに赴く。
卒塔婆小町」は、なんと上演時間の半分まで「卒塔婆小町」自体の台詞が発せられず、能の「卒都婆小町」の台詞やら、三島が切腹するところなど、とことん演出家の手が入ったもので、小劇場という空間をこれでもかと使って新鮮な舞台をみせてくれた。昨年も一昨年も大胆な演出で面白かったが、今回はそこのところをこれでもかと突き詰めた感じ。しかも切腹やるのがポール・シュレイダー監督映画「MISHIMA」で森田役を演じた塩野谷正幸。27日まで。
そして結城座の方だが、無論人形芝居となっている。実は「邯鄲」を舞台で見るのは初めてだったが、惜しいところはあるもののやっぱり「邯鄲」なんかはこれくらいの(人形)飛躍がないとしっくり見られない、つまり難しい芝居だと改めて思わされた。これは普通に新劇チックにやっても無理な芝居でしょう。「葵上」はその分端正に演出されていた。「邯鄲」と違って人形はすべて能面のような面構え、そういえば大昔、武智鉄二が「綾の鼓」を現代衣装に能面で公演したことがあったが、あれを思い出した。日程変更で31日まで。