漁書日誌 3.0

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扶桑目録など

先日届いた扶桑書房の目録で注文したもの。目録は大泉黒石まつりのような感じで多数出ていた。「血と霊」凾付12000円やら、矢野目源一訳「恋人へおくる」北園克衛宛献呈署名4500円などは気になったが注文もしなかった。既に売れていたかもしれないが。

小川未明「物言はぬ顔」(春陽堂:現代文芸叢書)明治45年4月15日初版3500円
ロムブロゾオ原著/中村古峡編述「天才と狂気」(青年学芸社:エッセンスシリーズ)大正3年11月12日3版3000円
こんな小型本を購入。「天才と狂気」は今回初めて見た。あるのは知っていたのだが、このエッセンスシリーズというのはなかなか見かけない。辻潤とは異なるロンブローゾの解説がついている。この「序言」に、〈私の全訳(此の書の)が近く内田老鶴圃から出版されることになつてゐるから〉云々とある。結局この訳書は出版されず、同書肆より同著者の「死後の生命」が大正5年10月に出版される。古峡は「天才と狂気」の邦題で翻訳を企てたらしいことは「死後の生命」の「訳者の序」にある通り。途中でこちらの英訳本を入手したら、こちらの方が面白くなってしまったということか。
そして以下はまた別。

清沢洌「モダン・ガール」(金星堂)大正15年11月20日初版凾欠1200円
マラルメ柏倉康夫訳「牧神の午後」(左右社)限定130部記番952円
「モダン・ガール」はたまたま今日の出先の小さな古書店に立ち寄ったらあったもの。この値段だったら買ってもよいかな、と。それから「牧神の午後」は先日人に教えてもらったもので、発行は今年の5月。手書きで限定番号が入っており、フランス装未開封。定価が952円で、まあペラリとした冊子ではあるが、挿絵も入っている。古書ではなく新品購入。関西の書店に注文したが、もう在庫は切れてしまったか。