漁書日誌 3.0

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扶桑書房古書目録:近代詩特集

土曜日、上記タイトルの目録が届いた。古通に広告が出ていたアレである。



詩集は範疇外でもあり、ワタクシ自身散文的な人間なので、どうもよく紹介しきれないのだけれども、これは目録自体必須の近代文学資料となりそうである。全部ではないけれども、半分以上がカラーの書影がついているのと、発行年月日全部記されているというのも特徴的。
それでもまあ、こんなワタクシでも知っている有名どころでは、朔太郎「月に吠える」カバー650000円、暮鳥「聖三稜玻璃」85000円、金子光晴「赤土の家」250000円、平井功「孟夏飛霜」識語480000円、それから足穂装幀の石野重道「彩色ある夢」献呈本95000円、西脇「スペクトラム」カバ800000円、吉岡実「昏睡季節」1500000円とか、日夏、中也、道造、伊東静雄から左川ちかまで、あるいはモダニズム系の斎藤秀雄「蒼ざめた童貞狂」380000円、萩原恭次郎「死刑宣言」凾380000円、エルンスト・トルラー「燕の書」帯250000円などが目に付いた。
あとはまあ一括のすごさであろう。椎の木社刊行書61冊一括1800000円とか、北園克衛著書54冊一括3800000円とか、「童貞女受胎」A版一番本を含む山中散生19冊一括1500000円とか、戦後ものも多いのだが、ユリイカ刊行書237冊一括3800000円(中にはユリイカ書誌未掲載なんてのもある)。
しかしやっぱり500冊以上の書影がこうもズラリと列ぶというのは圧巻。戦前戦後日本詩集の装幀変遷なんかを見るという意味でカタログ的にザッと見るだけでも面白い。やはりこれも後々まで残る「使える」目録になりそうである。