漁書日誌 3.0

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和洋会イケズ

本日は和洋会古書展初日。注文品は無し。
その前に国会図書館にて調べモノ。あれこれとやっているうちに、どうも古書展間に合わなそうだということで、きっぱり諦め、資料複写に精を出す。結局、19時過ぎに神保町。東京堂書店に立ち寄り、文庫一冊購入。そして「車谷長吉全集第一巻」(新書館)が出ていた。凾のデザインどうなの…というのはあるが、今時、貼凾に布装天金である。ちょっと惹かれたけれど、校訂のようなものは全くなく、巻末にある解題は、初出、初刊、再刊情報のみ。「心中未遂」とかだって、初出と単行本ではテクストに異同などあるだろうに…まあ期待する方が野暮か。
まあそういうことで、古書は一冊も買わなかったので、それならということで、帰りに地元の古書店に立ち寄って以下を購入。

ピエール・マビーユ「驚異の鏡」(国文社:セリ・シュルレアリスム3)カバ1300円
千谷道雄「裏方物語」(早川書房)初版カバ300円
ティーヴン・カーン「時間の文化史」(法政大学出版局)カバ800円
セリ・シュルレアリスムというのは、学生時代に集めていて、といっても、恥ずかしいことに読んだのは全五巻のウチの一巻である「黒いユーモア選集」上下巻くらいなのだが、この巻だけ書架で抜けていて、しかしまああまり金もかけたくないなあと思っていたもの。ようようこれで全部揃った。カーンのは、あとは「空間の文化史」を探さないと。
そしてお次は、今日東京堂で買った新潮文庫と、先日お勉強用にネット古書店に注文して届いたもの。

上野正彦「『死体』を読む」(新潮文庫
竹内整一「自己超越の思想 近代日本のニヒリズム」(ぺりかん社)新装版カバ1300円
前者は、監察医が文学作品の死体に挑戦するというもので、谷崎とか芥川とか。で、後者。これ先日人に教えて貰って初めて知った本だが、これはいい。幕末から、樗牛や梁川なんかの煩悶から、独歩、花袋ときて白鳥の〈つまらない〉まで、日本近代の文学思想をザッと見渡すよい感じの内容。読み応えがありそうである。
で、以下は、もう十年くらい前から某ネット書店のカートに入れっぱなしで注文してなかった洋書。まあ洋書なのでなかなか…でもちょいと必要な感じになってきたので、ホントもう数年ぶりに注文してみた。Rhonda K. Garelickの"Rising Star, Dandyism, Gender, and the Performance in the Fin De Siecle"。タイトルとか目次とか、なかなかそそるのだが、果たしてどうだろう。送料込みで3062円。

Rising Star, Dandyism, Gender, and the Performance in the Fin De Siecle: Dandyism, Gender, and Performance in the Fin De Siecle

Rising Star, Dandyism, Gender, and the Performance in the Fin De Siecle: Dandyism, Gender, and Performance in the Fin De Siecle