漁書日誌 3.0

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週末困惑

銀座のヴァニラ画廊で開催中の「人造乙女博覧会II」、いわゆるラブドールの展示で、「盲獣」じゃないけれど触感開放のも一体あり、実物見てみたいと行ってきた。まあ、平成の生人形といったところ。だが、顔がみんな子供ばっかり。もうちょっと嗜好性あれこれあるのではないのか。まあそんなことはどうでもいいが、そこに立ち寄ってからいそいそと五反田へ向かい、遊古会古書展へ。
注文品は二点。三村竹清「佳気春天」(書物展望社)函3000円と、図録「山名文夫展」(目黒区美術館)2000円。後者はハズレ、前者は会場にないので不明との由(おそらくハズレならむ)。で、まずは一階から見ていく。

江藤淳他「シンポジウム発言」(河出書房新社)初カバ
ロレンス(福田恆存訳)「性・文学・検閲」(新潮社)初カバ帯
雑誌「私小説研究」創刊号、2号
雑誌「近代文学」(54.1)以上すべて各200円
「シンポジウム発言」は、例の「若い日本の会」の連中がやったシンポジウムをまとめたもの。左翼っぽいサロンというか、文壇付き合いのないことを売り文句にしていた連中の文壇付き合いとでもいえるか。江藤や大江、寺山に慎太郎らのあれである。「近代文学」は、小説家の暮らしについての座談会が面白そうでセレクト。次いで二階へ。ざっとみてまわるが、今回これといったようなものはなかった。

アヌイ「城への招待」(新潮社)初函300円
森茉莉「父の帽子」(筑摩書房)函帯1000円
尾崎紅葉「紅葉集第三巻」(春陽堂)初函500円
講座美学3「美学の方法」(東京大学出版会)カバ200円
「父の帽子」は帯がピンピンにきれいだったので取り替え用に。帯に千円はどうかなあと思ったが。それと「講座美学」は会場に全冊揃っており、蔵書シールがあったが一冊200円だったのでまあ取り敢えず。紅葉集は、ちょっと最近「紅白毒饅頭」を読みたかったので。でまあ、本当は早めにここを切り上げて、神保町の愛書会へ向かおうと思っていたのだが、ふと気づくと時間切れになってしまい。
そして翌日の土曜日。
本当は神保町に出る予定はなかったのだが、うちのPCのHDDが壊れ、それを買いに急遽秋葉原へ出ることになった。ということで、そのついでに、まずは神保町の愛書会を覗く。ここでは注文品はない。ざっとまわって、購入したものが以下。

杉村春子「楽屋ゆかた」(学風書院)初版カバ帯200円
ドウス昌代マッカーサーの二つの帽子」(講談社文庫)カバ200円
ドウス昌代のこの本は、「敗者の贈物」というタイトルで単行本が出ており、それは大分前に読んでいるのだが、これはちょっと後書きを読んでみると、単行本に増補した改題増補版だというので購入。悪名高きRAAに迫ったドキュメント。

それから田村書店に向かい、前々から目をつけていた片山広子松村みね子「燈火節」(月曜社)函帯印3000円を購入。前は3600円くらいだと思ったのに変だなと思いきや、どうも、前に見かけていたのは既に売れて、新たに大学図書館印に除籍印の捺されたこれが入荷されたということらしい。除籍印があるが、もう品切れだし、3000円は今まで見た最安値だったし仕方あるまい。それから東京堂を覗いて、一服。
帰宅してみると、以前ネット古書店に注文していた杉田弘子「漱石の『猫』とニーチェ」(白水社)カバ帯2000円が届いていた。
しかしパソコンが調子悪すぎる・・・

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そういえば、先週買ったもの。

日夏耿之介訳「東西詩抄」(元々社)初版帯250円
五味康祐「秘剣・柳生連也斎」(新潮文庫)重105円
宗谷真爾「動悸と人形」(第二書房)初版カバ署名400円
日夏は地元の古書店で。五味のは「一刀斎は背番号6」を読みたかったためブックオフの100円コーナーで探した。宗谷のはネットオークションで落札したもの。宗谷のものは、どことなしに初期宇能鴻一郎のようなテイストで前から著作を買って読んでいる。でもまあ「なっこぶし」とかは別にいいか、というような気もする。第二書房は、伊藤文学の父親がやっていて引き継がれた出版社。
それと先週、見かけてすぐに買ってしまった新刊書。

失われた近代を求めてI 言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて 1)

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