漁書日誌 3.0

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本日の古書

ネットオークションで以前に落札したものが届き、そしてまた今日仕事の帰りにごくたまに行く古書店に立ち寄って買ってきた文庫。

「ショック映画」(昭和42年2月)1000円
黒岩涙香小野小町論」(現代教養文庫)300円
マイアーフェルスター「小説アルト・ハイデルベルク」(角川文庫)100円
「ショック映画」の特集は、「大胆なエロチシズムを描く武智鉄二映画傑作集」。しかし、である。届いてみて、中身をパラパラ見ていると、あれれ、どこかで見たような。ということで所蔵している、現代映画研究会編「エロチシズム芸術と武智映画作品集」(新風出版社、昭和42年10月)という並製カバーの本を取り出して見比べてみたのだが、ほぼ全く同じものであった。おいおい、売れ残りを装幀変えて別物として売り出したのか、と、思ったが、単行本の方は、本文印刷の色がちょっと違ったり、巻頭折り込み口絵に路加奈子のカラーグラビアがあったりするので、そのまんま横流しというわけではないようだが、しかしそれにしても、である。何だか少しガックリ。しかし、ここで武智映画としてラインナップされている(脚本、スチール、監督のコメント掲載で、いわゆるフォトストーリー仕立てになっている)、漱石の「夢十夜」原作の映画「幻日」は、結局公開されていないのだろうか。映画のデータベースなど見てみたのだが、どうもデータ不明のようだし、お蔵入りか。まあ、前にも書いたけれども、一種のゲテモノ趣味である。
それから文庫。「小野小町論」は安く買えて良かった。でももうちょっと表紙のデザインはなんとかならなかったのか。伊藤秀雄氏の解説つき。「アルト・ハイデルベルク」は、番匠谷英一訳。確かこの人、戦前に「黎明」とかいった戯曲集を出していなかったろうか。新聞社の懸賞に当選したとかそういうふれこみの。それはそうとこの本、タイトルは「小説アルト・ハイデルベルク」となっているけれど、そもそも芝居の「アルト・ハイデルベルク」というのが、小説「カルル・ハインリヒ」を戯曲化したもので、今回の小説は「カルル・ハインリヒ」である。厳密にいえば別物だが、「アルト・ハイデルベルク」の方が名が知られているのでこういうことにしたのであろう。そういえば、石原慎太郎潤色「若きハイデルベルク」とかいうタイトルで、前に日生劇場で上演されていたなあ、と。中山仁ほか出演で、そう、「黒蜥蜴」と併演だったような。しかしそうすると松竹だから東横劇場か。いや、日生でもやっていたような。どうでもいいけれど。
まど展目録、パラッと見た時は気づかなかったのだが、おお、かわほり堂が、川島幸希「署名本の世界」35000円というのを出品している。限定200部、そのうち表紙クロスの色が二種だった筈。まあ、今は手が出ない。