漁書日誌 3.0

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扶桑目録及びここのところの古書

月曜日、扶桑書房からの目録が突然来た。といっても、仕事から帰って夜帰宅してから、自宅に届いているのを見たので、まあ、出遅れの手遅れなのではあるが、仕事帰りに都内在住の友人のところに立ち寄って、帰宅前に目録を見せてもらい(感謝である)、夕方その場で注文はしていた。で、例えば谷崎書誌未掲載の「細雪」限定300部本とか、あー今このどん底金欠のなかでそれは無理だというのは諦め、また、これは安い欲しいというのは既に売れてしまっており、それでもなんとか、一点のみではあるが注文したものが本日届いた。

小野賢一郎「溝」(春陽堂:現代文芸叢書16)大正元年10月17日再版2000円
東京日日の記者だが、この人は小説も書き、谷崎なんかとも親交のあった人。「溝」は東京日日への連載。俳人としての小野撫子としても知られていて、そちら方面の著作も多い。蘭郁二郎の父親でもある(これは知らなかったが、先日知人に乱歩の「探偵小説四十年」にそう書かれていると教えて貰った)。この写真だとパラ巻いたままですが、表紙の耳が織り込まれてパラ巻かれているので、全部綺麗にとはいえないが半分以上は残っています。
で、一緒に写っているのは、火曜日に所用で都内に出た際にブックオフで拾った本で、安藤公美「芥川龍之介 絵画・開化・都市・映画」(翰林書房)。タイトルがそそるので気になっていたが、定価5600円が1450円。あとがき部分に鉛筆書き込みがあったからか、安いので思わず買ってしまう。というか1450円でもかなり懐にキツイ出費だったのだが。
で、以下はここ数日に買った本。

岡井耀毅「瞬間伝説」(朝日文庫)200円
ゴチェフスキ編「東大駒場連続講義 知の遠近法」(講談社選書メチエ)500円
江戸川乱歩全集16「透明怪人」(光文社文庫)カバ帯525円
江戸川乱歩全集18「月と手袋」(光文社文庫)カバ帯525円
安部公房砂の女」(新潮文庫)初版カバ帯315円
最初の二冊はネットオークションで落札。前者は「薔薇刑」関係、後者は前から欲しかったもの。
うしろの文庫三冊は、こないだの日曜日、西荻ブックマークにて開催された「公開編集会議 リテラエ・ウニヴェルサレスは謎だらけ」という、なかなか刺激的なミーティングへ参加の前に、荻窪で下車して(日曜日は中央線は西荻通過なので荻窪で乗り換えなのですよ)、ささま書房に立ち寄った時の収穫。前から目を付けていた、カントロヴィッチの単行本(古書価は定価くらい)が売れてしまっていたのは残念だったが。光文社文庫の乱歩全集は、持っていなかったところ。やっぱりこの位の値段でほしいところである。あと四冊くらいでコンプ。そして安部公房は、これで新潮文庫版全24冊コンプリート! あと中公文庫と早川文庫だったかだが、まあ中公の数冊持っていたと思うし、これでいいか、と。いやー、やっぱりその中でも「死に急ぐ鯨たち」がもう全くみかけなかった。単行本はたまにあるのだけれど、文庫はホントに見ないと思います。
昨日、月曜倶楽部が来たが、今日はまど展目録が来た。