漁書日誌 3.0

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ぐろりや会ほか

国会図書館を16時半くらいに出て神保町に向かう。図書館の前の桜はまだあまり散っていない。桜の花びらが舞っていて顔にかかる。
そしてぐろりや会だが、今回は目録で注文しようとファクス出しかけて我慢してやめてしまったものがあった。小野賢一郎「女、女、女」(興成舘書店)重版凾欠5000円と小杉天外「初すがた」(春陽堂)重版裸3500円である。もしかしてもしかしたら会場に出ているかな、などというのは甘い。一時間くらいかけて見ていったが、一冊も買うものはなかった。西村伊作「我子の教育」(文化生活教育会)の凾付きなんてのがあったが、結構なお値段でとても手が出せるものではなかった、とか。
知人に、裏のかげろう文庫にアレが出ていたと教わって、閉場後駆けつける。おお、今まで何故か買う機会が全くなかったのに、こんなに安く入手出来るとは、ということで購入。あんまりにも買うものがなく内向的鬱憤というか、くしゃみが出そうなのにひっこんでしまったような感じになっていたので、うっかり三茶の外ワゴンに出ていた明治文学全集などを購入。生田長江自然主義論なんかも、そしてなにより単行本は高くてとても手がでない後藤末雄の短篇などもあるし、まあ、ということで。それから、東京堂、モールと見て歩く。

三島由紀夫潮騒/剣」(あかね書房少年少女日本の文学)凾月報210円
明治文学全集75「明治反自然派文学集(二)」凾月報500円
この、あかね書房のこれ、後版であった。今回のは昭和42年4月発行のものだったが、初版は昭和41年11月。重版の記載がないので、知らないと初版と思ってしまう本なのだが、ワタクシは四種類確認している。当時予約すると特典で「潮騒」の原稿冒頭を印刷した下敷きがもらえたのだという。といっても、これ用に新たに書いた原稿でホントに使ったものを使用したのではない。それと帯があるという話もあるが、まあありそうな話である。が、それが初版から付いていたかは永遠に謎。版元の人も知らない。こういう文学全集ものって、返品されたらちょっと変えて再出荷とか普通で、もうわけがわからない感じで永遠に確認しようがないのである。筑摩の日本文学全集もそうだ。凾変わる、帯つける、色変えるとか、もうそれこそ。特定作家の初版本を収集する人にとって文学全集は殆ど無視されるようなものだが、実は追いかけるとあれこれの深淵がそこにはある。まあ、どうでもいい話ではある。
それから東京堂では、以下を購入。

「兵士」になれなかった三島由紀夫 (小学館文庫)

「兵士」になれなかった三島由紀夫 (小学館文庫)

新宿展も散歩展も、後者は安いのを一点駄目元で注文したが、今この時期はキツイところである。