漁書日誌 3.0

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京王新宿歳末古書市

さて、今日は新宿京王の初日である。注文品は二つの店に合計三点ほどあった。そのうちひとつがハズレたのだが、初日前に当落を知らせるファクスが届いた。もうひとつの店からは電話があった。なんとも恐縮だが、フシギな感じでもある。抽選で当たってから、やっぱりいらないと逃げてしまう客などが多いからなのだろうか。そんなことはどうでもよいが、今日は後に予定が控えていたために、早めに行って早めに切り上げた。13時半過ぎ会場到着し、約二時間がリミット。といっても、やっぱり、全部は見切れなかった。以下、会場で今回購入したもの。

江藤淳漱石アーサー王伝説」(講談社学術文庫)600円
長門裕之「洋子へ」(データハウス)初版カバ500円
演劇実験室◎天井桟敷公演「レミング」パンフレット半券付800円
新派・春の新派特別公演@南座筋書(81.4)400円
新派・水谷八重子追悼春の新派祭@明治座筋書(80.2)500円
関西の本屋で演劇パンフなどをドサリと出しているところがあり、漁った。新派のものは両方とも「鹿鳴館」を上演した時のもの。天井桟敷のは大阪公演の半券が付いていた。これなどは既に所持していたがこちらの方がコンディションがよい。しかし例えば関西のだから、昭和二十年代後半の関西芸術座の前の制作劇場とか、実は筒井康隆なんかも一時期所属していた青猫座とかのがあったらなあと思ったが、なかった。
それとまあ「洋子へ」はシャレみたいなもんだが、1985年11月1日初版第1刷だったので。確か初版では実名挙げていて後の改訂版では削除した箇所などある筈なのです。前にも100円で買ったが昭和三十年代芸能界の裏側がほんの少しわかる(ような気もする)。
で、それとは別に、目録注文して当たったものが以下。

小川未明「不幸な恋人」(春陽堂大正9年1月1日初版凾付少痛5250円

原六朗「ビルディングと小便」(赤爐閣書房)昭和5年6月6日初版3500円
「ビルディングと小便」は、モダン派傑作選集1で、ほかに緑色表紙の異装もある…という情報もある。今回のはご覧の通り銀色表紙の本。モダニズム系は最近食指が動かなくなってきているが、これは別。一緒に目録出品されていた春陽堂の世界大都会尖端ジャズ文学叢書の「大東京インターナショナル」カバ欠4000円はハズレ。これらは結構な申込数だったのではないか。もちろんこれだけでも満足である。
それと未明。薫などもそうだが、本来別ジャンルで主な仕事をしている作家の小説作品というのに好みのものが少なくなく、未明も児童向けとは別の大人向けともいうべきデカダンな感じの漂う明治大正期作品を好んでいる。少し前にちくま文庫で出た怪談傑作選なんかもよかったなあ、と。ただし追いかけたらきりがないが。今回のは、少し痛みがあるが、短篇集で、お買い得だったと思っている。ちびりちびりと読書をしたいタイプのものだ。
ということで、またもや大枚をはたいてしまった。気が付けば、ここのところ飛ばしすぎで年明けが思いやられる。自重したい。

ここのところ気になっている新本。古書で探したい。

明治 大正 昭和 不良少女伝---莫連女と少女ギャング団

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