漁書日誌 3.0

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雷鳴日曜の古書


「まんがグリム童話江戸川乱歩編」(ぶんか社)200円
ダーウィンチャールズ・ダーウィン自叙伝宗教観及び其追憶」(岩波文庫)300円
本城靖久「トーマス・クックの旅」(講談社現代新書)200円
エリファス・レヴィ「魔術の歴史」(人文書院)初カバ帯4500円
最初のコミックはネットオークションで落札。あとは今日立ち寄った地元の古書店にて。いやはや、「魔術の歴史」は最近篦棒なプレミアがついているようで、これが出たときは定価も高いし古書で安くと思っていたのだが、そんなことになり、益々縁遠いものと考えていた。だが、先日地元で見つけて取り置きしてもらったもの。といっても4500とは値の張る買い物である。今プレミアが付いて高いから買うという要素が今回の購入には多分にあり、イヤラシイとは思いつつもまあこんなものである。では転売するかといったら、それはしたくない。ヨーロッパの世紀末、デカダンス文学などに興味がある読者としては一応所持して書架におきたいというものだ。トーマス・クックというのは、皆さん御存知、世界で初めてパック旅行を始めた英国の業者。パリ万博の頃の話。旅行というものが、ある種の階級的ステータスであった旅行=冒険の時代を経て、旅行=観光の時代へと変わった端境期に出てきた19世紀ツーリズムの象徴みたいな人物かなどと、あれこれ読み囓って少し興味を持ってたので買ってみたもの。
それからコミックだが、文学の漫画化というものには前から興味を持っていた。映画化にしてもそうだが、こうした二次創作の際に、文字である文学と、映像(絵)であるこうした二次創作のイメージの差異なんかを追っていくと面白いのである。レッシングの「ラオコオン」的差異は勿論承知だが、これを詰めていくと、ある意味、絵では描けない文学特有のイメージ、文字ではあらわせない絵(映像)特有のイメージ、それぞれの限界が見えてくるのではないかと思うわけですよ。で、特に乱歩ものは二次創作の作者によってそれぞれいろんな世界が展開されるので、どう料理したのかということで集めているのだが……これは、なんだか不必要なエロシーンがかなり多く、ストーリー自体もけっこう脚色されてスピンオフ作品みたいになってるのもある・・・・どうもなあというものでした。

叙情と闘争―辻井喬+堤清二回顧録

叙情と闘争―辻井喬+堤清二回顧録

藝術とは何か (中公文庫)

藝術とは何か (中公文庫)

これは明日にでも買おうかどうかという新刊。堤のは、「読売新聞」に連載していて、既に三島関連箇所は切り抜いて保存してあるが、書き足しなどはあるかがポイント。福田恆存のは改版、文庫だし買う。