ネットオークションで落札した本が届いた。
現代映画研究会編「エロチシズム芸術と武智映画作品集」(新風出版社)昭和42年10月1日発行である。
「100万人のカメラ」という雑誌の昭和39年12月増刊号で、同じく武智の「白日夢」などを特集した「白日夢・紅閨夢と武智鉄二作品集」号ならば所持していた。それには映画「白日夢」公開にあわせて、同映画主題歌のソノシート付きというシロモノであった。ちなみに主題歌をうたうのは、同映画主演の路加奈子。シュルレアスティックでなんのことやら全く意味不明な歌詞とウフン・アハンというあえぎ声的声の短い歌である。
さて、武智といえば一昨年だったか、表参道のイメージフォーラムで武智映画祭が催され、その時上映された武智映画はすべてDVDとなって発売された。便利な世の中である。このことについては以前にも述べたし繰り返しても仕方がないが、しかし、「日本の夜 女・女・女物語」から「白日夢2」までドカーンと出たとはいえ、そういえば、あれ見てないよなあ、という武智映画がある。それは「幻日」だ。
「幻日」、漱石の「夢十夜」を原作としたこの映画、確かシナリオ掲載した「映画評論」誌も所持していた筈だが、しかし、ワタクシ見たことがないばかりか、そういえばイメージフォーラムでの上映リストにもなかった。そもそもこの映画、完成したのだろうか。今回入手した「エロチシズム芸術と武智映画作品集」には、フォトストーリーがちゃんと出ているし、完成はしたんだろう、と。ネット上の日本映画DBで検索してみると、詳しい情報が出ていない。つまり、お蔵入りということだろうか。配給の目途が立たずという。あるいは借金の形にとられた、とか。あと「スキャンダル夫人」というのも出てないないなあ。それと、ビデオ制作された泉鏡花原作「高野聖」とか、ハードコアものだったと思う。
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それはそうと、話は戻るが、武智と川口秀子の娘さんである川口小枝の映画出演時のヌード写真まで出ていて、後の方には家族の一家団欒の写真まで出ている。
うむ、なんかスゴイなあ。当時の芸能スポーツ新聞などを見ていると、西村みゆきと結婚・離婚で結構騒がれていたけれども…。しかし、やっぱり戦後歌舞伎における武智の位置はある意味で不動なものがあるように思えるし、今ではバカにされてしまうヌード能であっても、何かしらの評価をしてもよいと思うのだが。