漁書日誌 3.0

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昨日今日


昨日池袋の古書店にて購入した、文庫、新書。
ちょっと入り用で買った「羅生門・鼻」100円とか、同じく手っ取り早く芥川を再確認したく購入した岩波新書芥川龍之介」とかはまあ別によい。
桜井哲夫「不良少年」(ちくま新書)は、ちょっと目次をみて気になったもの。以前から、大正から昭和初期の文学に出てくる不良表象というのが少し気になっていた。羽仁進の「不良少年」なんていう映画があったが、戦後のものは、まだ何となく映画などでも取り上げられる事が多いし、まだしもだとは思う。だが、1920年代とかどうだったのだろう。大して変わりゃしないのかもしれないが、実際、イメージだけで大正時代の不良とかいわれても実体はよくわからない。

それから「恋人たちの時刻」(角川文庫)は、角川映画の原作。映画の方は既に見ている。アイドル路線の角川というイメージがあるかもしれないが、これは暗いトーンで実はけっこう評価している。しかし原作は全く読んだこともなく、気にしたこともなかったのだが、先日たまたまこの映画の予告編を見て、そういえばと心に引っかかるようになった。
1980年代以降の邦画とその原作、というのはちょっと気にしていて、いわゆる文芸映画というと、戦前の名作、もしくは昭和30年代の大映東宝なんかのプログラムピクチュアでも沢山あるわけだが、そういう大作ものではない、80年代以降のものに興味があるのである。例えば相米慎二の「雪の断章—情熱」。これは佐々木丸美の小説が原作。それまで佐々木丸美という作家の名前すら知らなかった。このあいだの復刊フェアで初めて名前を耳にし、どんなもんかと映画原作のこれを読んだという次第。相米では他にも「夏の庭」「光る女」などもある。「赤目四十八滝心中未遂」も、車谷という作家のことは全く知らず、まず映画を見に行くために取り敢えず原作読んでおくかと手に取ったのが始まり。これが面白く、その後車谷の本は集めてすべて読んだ。そして飽きた。とはいえ、片岡義夫の「スローなブギにしてくれ」とか、どうだろうなあ、微妙だろうなあ。いきなり時代変わるけど、映画「子育てごっこ」(中学生の頃テレビ東京の深夜でやっていたのを見て印象深いのだ)も原作は直木賞だったと思うが、あれも原作読もうかといえば微妙だなあ。まあどうでもよい話である。


これは今日買ったもの。『「新」映画理論集成1』(フィルムアート社)1800円は、たまたまネット検索していてこれは安いなあと注文してしまったもので、今日届いた。それと、文庫本は、午後赴いた近代文学館の帰りに駅前の河野書店で購入したもの。中島京子FUTON」(講談社文庫)300円、漱石のは岩波文庫で揃えているため。それと笙野頼子「母の発達」(河出文庫)300円は、この作家ならこれと以前人に勧められたため。「FUTON」は前から興味があり、新刊で買おうと思っていたのでちょうどよかった。無論、花袋「蒲団」を本歌取りしたような小説。