漁書日誌 3.0

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まど展ほか

本日は窓展初日。
といっても注文品はない。今日は、いつもと違ってけっこう早めに会場に到着。といっても、17時だが。
で、丸々一時間ほど見て、買ったものは、これ。

相も変わらず安いものばかり。千円以上のものはなし。
独歩「武蔵野」(大鐙閣)大正6年10月15日発行の57版。初版は明記されておらず。これは元版の重版本か、表紙が違うが、重版で変わったのかな、などと500円で拾ったものの、よくよく考えてみれば、元版は民友社だった筈。ということは、縮刷版を出しているこの大鐙閣のこの本は、後の版ということか。で、ちょっと調べてみると、再版以降はこの装幀のようだ。しかも出版社もあれこれ変わっている……。

それから、200円だったので、参考のためにということで買ってみたのが青年学芸社のエッセンスシリーズ。これは生田長江抄訳の「ファウスト」第一部、大正3年10月27日再版。このエッセンスシリーズ、小説ばかりでなく、評論書やら哲学書の類もあるので、前々からちょっと気になってはいた。確か前にも参考のためにと、「ロダンの言葉」か何かを拾ったような。ホントはここで出ているロンブローゾが欲しい。
それと写真には写っていないが、谷崎潤一郎「近代情痴集」(新潮社)大正13年7月5日初版、400円。もちろん、後版の、オレンジっぽい、油紙っぽい色の表紙の廉価版のアレ。しかも背が痛んでいる。

さてそれから、雑誌。
「文章倶楽部」大正16年1月号、新年特集「文学と社会」号。800円。ウウム。これは内容で。文士の原稿料の変遷史、とか、文学者の生活の変遷とか、個人的に興味を持っている話題だったため。
いまひとつは、「中学世界」明治35年1月号。200円。何でこんな値段かというと、後の方の頁がズバッと欠けているからで。抱月、花袋、春雨、天外等々の創作付録が全欠なのです。でもね、「中学世界」の投稿作品と批評(担当は秋江)のところ、一応参考に読んでみたかったので、まあ200円ならよいか、と。

この後、三茶やらなにやら覗いてから、モールへ。
モールでも同額くらい買ってしまった。文庫、新書など数冊。
それから、山口昌男「『敗者』の精神史」(岩波書店)初カバ1500円。これ、もう今更もいいとこ、と思う人もいるかもしれないが、実はまだ読んでいない。しかも今まで見た中でいちばん安価な1500円だったので購入。二千円代でなら見かけていたんだけれども。出来れば場所を喰わない文庫で欲しいところではあるが、文庫も今時高い。

しかし最近はこういう趣味の本というよりも、お勉強の本ばかりが気になってしまう。ぜんぜんよい本と巡り会ってないなあ。年末年始に古書のウンを使い果たしてしまったのか……。