さて、三島関連とは別にここのところの購入古書について書いておきたい。まずはネットオークションから。
菊池寛「啓吉物語」(玄文社)大正13年2月18日5版凾痛300円
菊池寛のは芥川龍之介題字、装幀意匠というのが購入理由。題字ばかりでなく題句が署名入りで表紙に印刷されている。作家同士の交流が装幀にも及ぶ例として。ベーメのはお勉強用。
泉鏡花「番町夜講」(春陽堂)大正13年12月30日初版凾欠2500円
こちらは扶桑書房目録注文。前に持っていたのは売却してしまっており、買い直しである。もちろん雪岱装幀で、表紙は総クロス装に源氏香、そして見返しはこんな感じの木版。
ローデンバック「歌曲 暮れ方の優しさ」(森開社)限定300部記番訳者署名入1000円
こちらは小野夕馥さんの森開社の新刊。こちらで申込のみ頒布。今回のは楽譜も入り、くすんだ桃色の本文用紙。いつもながらに瀟洒な冊子です。
*******************
さて、10月31日、今年は青展が中止になったが、しかし一部の出版社が独自に在庫本セールをするというので神保町にチラと赴いた。白水社などは(コロナ対策もあって)長蛇の列で、これはと諦め、幻戯書房に行ってみると、ワゴンに単行本全部半額とあり。あれもこれもと思ったが、グッと我慢で以下の2冊。
橿原辰郎「帝都公園物語」1100円
「椿実 詩歌文芸論集」500円
椿実は「メーゾンベルビウ」など限定本も半額であった。
まあそんなこんなでポツポツ買ってはいるのであるが、しかし年一回のイベントも中止だし、最近は古書展もあまり行けていないので、古書欲が高まっているなあというところで、昨日扶桑書房に赴いていろいろ買ってしまった。
文学同志会編「立身の事蹟」(文学同志会)明治32年3月1日
マーデン「処世の良法」(大日本実業学会)明治36年11月23日
尾上紫舟「銀鈴」(新潮社)明治38年2月1日再版
小栗風葉「荒尾譲介」(新潮社)大正7年5月18日4版凾欠図書館除籍本
小栗風葉「終編 荒尾譲介」(新潮社)大正7年7月20日初版凾欠図書館除籍本
島村抱月訳「ペレアスとメリサンド」(第百書房)大正15年2月20日裸図書館除籍本
以上、3冊100円を2セット。
田山花袋「恋ごゝろ」(新潮社:情話新集)大正4年9月16日初版背痛図書館除籍本1700円
後藤末雄「生活と心境」(第一書房)昭和14年11月25日初版800円
図書館除籍本とあるのは番号のレッテル貼付に図書館スタンプ入り。市場にある程度の量が出たようである。べったり貼付されてしまっているレッテル、情話新集などは裏表紙にバーコードが貼付されてしまっていて痛々しい。
マンディアルグ/生田耕作訳「満潮」(奢灞都館)限1500部記番帯欠600円
山田一夫「初稿 配偶」(盛林堂ミステリアス文庫)1400円
3冊100円はまだしも、ついでにとあれこれ買ってしまった。